田んぼには稲が植わり、夏はもうすぐそこまで来ていますね。
私はあわびやサザエなど貝類が好きですが、それらを食べる機会が増えてくると夏だなぁと感じます。
今月は夏を感じさせてくれる食材のあわびについてお話したいと思います。
日本に生息するあわび類は約10種類で食用はエゾアワビ、クロアワビ、マダカ、メガイの4種です。あわびは高タンパク、低カロリーで鉄、亜鉛、マグネシウム、銅などのミネラルとビタミンB群、カリウムなどを含んでいます。とくに鉄は、血液中のヘモグロビンの成分になり、鉄が不足すると貧血状態になって、疲れやすくなったり、息切れ、めまいなどの症状が起こりやすくなります。 また、亜鉛は味覚や臭覚を正常に保つのに必要な成分です。
漢方的な働きとしては、殻は石決明(セキケツメイ)といい、眼病の特効薬です。身の干したものは薬膳で強壮薬として用い、結核、黄疸の治療に用います。口の渇きをいやし、利尿作用もあります。調理方法としては、生をさばくときは殻からはずした身を粗塩でこるすと粘膜が取れて身が締まり、コリコリとした歯ごたえに。刺身や寿司ダネによく使われますが、塩蒸しやステーキ、酢の物、バター焼きにも最適。乾燥は塩漬けなので、もどしてからスープや炒め物、うま煮などに調理しましょう。
貝にはコレステロールがあるからと敬遠する人もいらっしゃいますが、貝にはタウリンやコレステロール低下作用がある成分も含まれているものが多いので、あまり神経質になる必要はありません。貧血を指摘されているけど、レバーは苦手という方は貝類を積極的に食べてみてはどうでしょうか?
2013年5月1日
栄養士のコーナー・新
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